撮り溜めた2万枚の風景写真!
江藤:四季を通じて展開される北海道の大地は、とても見応えがありました!
上村:ありがとうございます。あの写真は、今年のゴールデンウィークから撮り溜めた2万枚のなかから選びました。
江藤:2万枚!? それだけの枚数ということは、たくさんの撮影地を回られたのではないですか。
上村:美瑛は隅から隅まで行きました。「いい写真が撮れる」と思われがちの美瑛ですが、天気や日の高さでまったく印象が変わるので、つねに時間との闘いです。雲の動きを見ながら車を飛ばす、忙しい撮影をしています。
江藤:そんな努力をして撮影した2万枚を選定するのは、とても苦労されたと思います。
上村:確かに大変です。ですが、デジブックを作っている途中に、“ルール”を設けたら選定が簡単になりました。
デジブック作りのルール
江藤:その“ルール”は気になりますね!
上村:ふたつあるのですが、ひとつは「自分なりのテーマ」です。北海道の大地を“神秘的”に見せるように写真を選ぶことで、自然に枚数が絞られます。
江藤:もうひとつの“ルール”はなんでしょうか。
上村「BGM」です。ループする前に作品を終わらせようとすると、枚数は限られますよね。少しでも迷ったら削除する基準を設けたんです。
江藤:「アヴェ・マリア」をBGMに選んだのは、“神秘”にこだわったからですね。
上村:すべてのBGMを聞きましたが、やはり「アヴェ・マリア」の神聖な歌声が作品と一番合いました。
江藤:“ルール”設定をしてデジブックを作るやり方は、いままで考えたことがありませんでした。
上村:「人にどう見せたいか」というイメージを膨らませて“ルール”を設ければ、作品を作りやすくなります。結果として、自分の伝えたいことをストレートに表現できます。今回のコンテストは「収穫」というテーマ上、北海道が有利だったので、幸運にもグランプリを頂けたのだと思います。春のコンテストでも、北の大地ならではの、美しい自然と共にデジブックを作りたいです。